食道胃腸の病気情報館

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食道がんの種類・原因・治療

「食道がん」とは、食道にできる悪性腫瘍です。男性に多く(男女比は約6:1)、50歳以上の高齢者に発症しやすく、好発年齢は60~70歳代です。食道がんには、粘膜上皮に発生する扁平上皮癌と、バレット食道に発生する腺癌があります。扁平上皮癌が食道がんの90%以上を占めています。
「食道がん」は、初期症状が少なく、進行しやすく、転移しやすく、再発しやすいという特徴があります。そのため、発見されたときはかなり進行していることも少なくなく、ある程度進行したがん治療では集学的治療(化学療法、放射線療法、外科手術を組み合わせた治療)になります。

「食道がん」の症状とステージ(病期)

「食道がん」の多くは無症状のまま進行します。初期症状は殆どありませんが、喉が「しみる感じ」を自覚することがあります。熱い・酸っぱい・辛いものなど刺激の強いものを飲み込むときに感じることが多いです。進行するにつれて、飲み込みにくい、胸痛、体重減少、咳、声がれといった症状が現れてきます。加えて、食道がんは早期に肝臓・肺・骨・脳などに転移するため、転移先の臓器の症状が現れます。

 ステージ(病期)と転移

0期・I 期・II 期・III 期・IV期に分類されるステージ(病期)は、深達度(癌の深さ)・リンパ節転移の程度・多臓器への転移の程度の3因子で決まります。II 期以降は進行がんです。食道周辺には肝臓や肺などの重要な臓器や血管・リンパ管が存在し、他臓器に癌細胞が浸潤しやすく、リンパ液や血液などによって癌細胞が体の様々な部位に運ばれて転移します。食道がんは広範囲にリンパ節転移を起こすことが知られいます。癌の深達度が深くなるほど、リンパ節転移が増します。

「食道がん」の種類と原因

「食道がん」には扁平上皮癌と腺癌があります。日本では扁平上皮癌が90%以上を占めています。米国では腺癌が50%以上で、増加傾向にあります。腺癌はパレット食道に発生します。欧米化した食生活などにより逆流性食道炎が増加傾向にあり、逆流性食道炎が「バレット食道」合併のリスクを高めることから、日本でも腺癌が増加する可能性があります。
扁平上皮癌では喫煙・飲酒・刺激物などが危険因子とされ、腺癌では喫煙と脂肪や糖分の過剰摂取による肥満が危険因子といわれています。

 扁平上皮癌の原因

扁平上皮癌は、食道の粘膜上皮に発生する癌です。中部食道に好発します。多量飲酒と喫煙が原因とされています。日本人の約45%が、アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドを分解する酵素(ALDH2)の活性が弱い体質(遺伝子)を持っています。これは、発がん物質のアセトアルデヒドが蓄積されやすいことを意味します。お酒を飲んで赤くなる人は、アセトアルデヒドによる食道がんリスクが高いので要注意です。また、アルコールの度数が高いほど食道粘膜を直接障害するために、アセトアルデヒドなどの発癌物質が粘膜に浸透しやすくなり、度数が高いアルコールを好む人ほど食道がんになるリスクが高くなります。
飲酒と喫煙の習慣が両方ある場合は、食道がんのリスクは相乗的に高くなります。タバコの煙に含まれる有害物質(発癌物質)は食道に直接影響しますから、リスクはその分高くなります。
飲酒と禁煙の他に、刺激物(熱い・辛い飲食物)や癌の原因物質を含む食品もあります。食道がんのリスク因子にニトロアミンがあります。肉や魚の焦げに含まれます。肉・魚・魚卵の加工品の発色剤に使われる亜硝酸ナトリウムは、肉や魚介類に含まれるアミンに反応してニトロソアミンが作られます。

 腺癌の原因

腺癌は、食道内側の食道壁にある粘液を分泌する食道腺の細胞が癌化したものです。腺癌は、バレット上皮(バレット食道)に発生します。
バレット食道は、胃から連続して、食道下部の粘膜上皮が扁平上皮から胃や腸と同じ円柱上皮に細胞変異した状態です。逆流性食道炎の慢性化で、胃酸逆流による炎症を繰り返すことが原因と考えられています。

「食道がん」の診断・治療・手術

画像検査が中心の検査で食道がん診断がおこなわれます。スクリーニング検査で有効な内視鏡検査をはじめ、X線食道造影検査、CT、MRI、超音波(エコー)検査などがあります。また、病変を採取して検査する病理検査や腫瘍マーカー(血液検査)などがあります。
治療には、内視鏡的治療、手術療法、放射線療法、化学療法(抗がん剤治療)があり、治療方針はステージ(病期)・深達度で異なります。同じステージ(病期)であっても治療が異なることがあります。早期がんでは内視鏡治療が可能で、切除手術が可能な病期Ⅱ・Ⅲでは、切除手術をせずに化学放射線療法(放射線療法)がおこなわれることが増えているようです。進行がんで経口摂取が難しい場合は、食道ステント挿入術・バイパス手術・胃瘻増設などの対症療法が行われることがあります。

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