食道胃腸の病気情報館

食道胃腸の病気の症状原因治療についての情報です

機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)とは

機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)FDとは、胃もたれ・胃痛などの心窩部(みぞおち)を中心とした症状が慢性的に続いているのに、内視鏡などの検査で異常(胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃がんといった器質的疾患)が認められない病気です。機能性消化管障害のひとつで、この病気の患者の多くが慢性胃炎・神経性胃炎・胃弱などと診断されていました。
機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)FDは、性別・年齢を問わず発症しますが、30歳代~50歳代の比較的若い成人で、性別では男性より女性、途上国より先進国に多いといわれています。

機能性ディスペプシアFDの症状

主な症状は、食後愁訴症候群と心窩部痛症候群に分けられます。食後愁訴症候群は、食後膨満感(つらいと感じる食後のもたれ感)と早期満腹感(食事開始後すぐに満腹感を感じる)の症状です。心窩部痛症候群は、心窩部痛(みぞおちの痛み)と心窩部灼熱感(みぞおちが焼ける感じ)の症状です。食後愁訴症候群は食後に起こる症状ですが、心窩部痛症候群は食後だけでなく空腹時に起こることもあります。
症状の程度や質が変化するのが特徴的です。例えば、先々週は主に「胃もたれ」だったのが、先週は「胃の痛み」、今週はまた「胃もたれ」といった具合です。

機能性ディスペプシアFDの原因

原因として多因子が複雑に絡み合っていると考えられています。胃の動きや働きの悪さや過敏性のほかに、心理的要因、遺伝的・社会的要因、生活習慣などがあげられます。

 運動機能の障害

胃は、貯蓄・攪拌(かくはん)・排出の運動機能が3つあります。この運動機能に障害が生じると、機能性ディスペプシアFDの症状(主に食後愁訴)を引き起こすと考えられています。

胃適応性弛緩反応障害と貯蓄機能障害:胃に食べ物が入ってきても胃低部(食道に近い胃部)が膨らまないで貯めることができないと、少し食べただけでもお腹がいっぱいになったように感じます(早期膨満感)。また、胃内圧が上昇するために痛みや不快感を感じやすくなります。

胃排出遅延:胃内容物を十二指腸に送り出す働きが弱ると、胃に留まる時間が長くなり、胃もたれ感や吐き気を起こしやすくなります。

貯蓄機能障害と排出機能:胃適応性弛緩反応が上手く働かないで貯蓄機能が障害されると、食べ物と胃酸が十二指腸側(幽門部)に早く送られてしまいます。すると、十二指腸ブレーキ(胃排出機能を抑える)が働いて胃に食べ物が溜まった状態になって「胃もたれ」を感じます。

 胃の知覚過敏

胃を刺激するものに、胃の運動や内圧上昇などの物理的刺激と胃酸や食べ物などによる化学的刺激があります。胃が知覚過敏の状態では、正常なら感じない小さい刺激にも過剰反応して、機能性ディスペプシアFDの症状を引き起こすと考えられています。冷たい水・酸っぱいもの・脂っぽいものに過敏に反応します。少量の食べ物で胃の内圧が上昇して早期飽満感が現れたり、胃酸で痛みや灼熱感などを過剰に感じやすくなります。

 心理的・社会的要因

社会的ストレスを受け、うつ的・不安的要因が強い心理状態は、適応性弛緩反応障害や知覚過敏を引き起こす因子と考えられています。

機能性ディスペプシアFDの検査と診断

機能性ディスペプシアFDと診断するには問診のほかに、胃内視鏡検査、胃X線検査(バリウム検査)、腹部超音波検査、CT検査、血液生化学検査、ピロリ菌検査、胃排出能検査などがあります。検査によって器質的疾患(胃がん、消化性潰瘍など)を除外した上で、FDと診断します。萎縮性胃炎を含む慢性胃炎、びらん、発赤、潰瘍瘢痕があってもFDと診断してもよいことになっています。
FDと診断され、ピロリ菌検査で感染が認められて、ピロリ菌除菌治療で症状が改善した場合は、「ピロリ菌関連機能性ディスペプシア」と診断されます。ピロリ菌検査で感染が認められない、またピロリ菌除菌治療で症状が改善しない場合は、機能性ディスペプシアFDと診断されます。

機能性ディスペプシアFDの治療

機能性ディスペプシアFD治療には、生活習慣の改善、食事療法、薬物療法があります。食生活を含む生活習慣を改めるだけでも症状が改善することが少なくないといわれています。これで症状が改善しない場合は、薬による対症療法がおこなわれます。

 生活習慣の改善

十分な睡眠をとり、過労を避け、ストレスをためない日常生活にします。規則正しい食生活をして、過食(脂肪分の多いもの、甘いもの、刺激の強いものの摂りすぎ)・早食い・過度の飲酒を避けます。喫煙を控えます。

 薬物療法

食後愁訴症候群(食後の胃もたれ・早期満腹感)には消化管運動機能改善薬(アコチアミドなど)、心窩部痛症候群(みぞおちの痛み・焼ける感じ)には胃酸分泌抑制剤が用いられます。これらの薬で症状改善が不十分な場合は、抗うつ薬、抗不安薬がつかわれることがあります。

※機能性ディスペプシア: FD(functional dyspepsia)

 - 機能性消化管障害

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