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大腸ポリープ(腺腫)の癌化

大腸ポリープの約80%が腫瘍性(腺腫)と考えられています。腺腫とは、大腸粘膜上皮の腺細胞の異常によって増殖したものです。腺腫には良性と悪性があります。良性の腺腫の一部が大きくなって腺腫内癌を伴うことがあり、これが早期の腺癌です。腺腫が前がん病変と呼ばれる所以は、良性腺腫が癌化することによります。
大腸ポリープ(腺腫)の種類や大きさなどによって、治療方針が決まります。癌化の可能性のある大腸ポリープ(腺腫)は切除する必要があります。年齢が高くなるに伴いポリープの数が多くなります。自覚症状は殆どありませんから、健診の便潜血反応検査が陽性ならば必ず精密検査を受けることが大切です。

大腸ポリープ(腺腫)の種類と癌化の可能性

腺腫の発生の仕方によって、良性腺腫は腺管腺腫・絨毛腺腫・腺管絨毛腺腫などに分けられます。腺腫の中でも、大部分を占める腺管腺腫は最も癌化しにくく、直腸に多くみられる絨毛腺腫は癌化しやすいといわれています。
腺腫の形態には隆起型と表面型があります。隆起型(Ⅰ)は、有茎型(Ⅰsタイプ)・亜有茎型(Ⅰsp)・無茎型(Ⅰp)があり、有茎よりも無茎のほうが悪性化(癌化)しやすいとされています。表面型(II)には、表面隆起型(II a)・表面平坦型(II b)・表面陥凹型(II c)があります。陥凹型は他形態よりも悪性度が高いといわれています。また、表面隆起型(II a)の側方発育方腫瘍(LST)は、結節型(表面がでこぼこ)と非結節型(比較的平ら)があります。

大腸ポリープ(腺腫)が大腸癌になるメカニズム

正常な大腸粘膜にポリープが生じて、良性の大腸ポリープ(腺腫)が癌化(腺腫内がん)することがあります。がん発生の経路として、大腸の粘膜上皮腺腫が癌発生母地になっています。
発癌遺伝子・癌抑制遺伝子・DNA修復機構の異常・不具合によって癌化が起こります。遺伝子が傷ついて遺伝子変異を起こすことで、正常組織→腺腫→腺癌と進展していくと考えられています。そして、腺腫が直線的ではなく段階的に増大するのは、この遺伝子変異と関係しており、ひとつの遺伝子が傷つくと腺腫の増大スピードが増し、次の遺伝子が傷つくと次の増大が起こるためと考えられます。

良性腺腫か腺癌か?(生検組織判定のグループ分類)

良性腺腫と腺癌をはっきり2つに分けることはできません。正常組織とどれくらい違うか(異型度)を調べる生検組織検査による判定基準があり、「良性」から「明らかな癌」までを5グループに分類しています。異型度が強いほど癌に近い状態です。(このグループ分類は大腸がんの進行度を示すステージ分類とは違います)

  • グループ1:良性
    非腫瘍性で異形のない粘膜組織(正常粘膜、異形の炎症性また過形成性の粘膜)
  • グループ2: おおむね良性
    非腫瘍性で異形を示す病変(炎症性また再生成変化、軽度異型の過形成性ポリープ)
  • グループ3:良性だが注意が必要
    腺腫性で軽度から中等度の異型を示す病変(軽度から中等度異型の腺腫)
  • グループ4:癌と言い切れないが、かなり癌が疑われる
    腫瘍性で高度異形を示す病変(高度異型または癌を疑うもの、上皮内癌=癌を含む腺腫)
  • グループ5:明らかな癌
    癌と診断しうる異形を示す病変(癌と診断)

※大腸ポリープを組織学的に分類すると、腫瘍性と非腫瘍性に大別されます。

※大腸癌は、良性ポリープ(腺腫)が癌化する経路と、正常粘膜が直接癌化する経路があると考えられています。後者の癌はデノボ癌と呼ばれます。デノボ癌は早期発見が難しく、小さくとも進行が速いといわれています。

 - 大腸ポリープと大腸癌

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